「もしかして、薄毛が始まっている…?」
ふと鏡を見た時や、抜け毛の量に、そんな不安を感じる女性が増えています。薄毛の悩みは非常にデリケートですが、その原因を知り、適切な予防策を講じることで、進行を緩やかにしたり、改善が期待できる場合もあります。
この記事では、女性特有の薄毛を引き起こす主な原因を7つ解説し、今日からすぐにできる予防策をご紹介します。生活習慣を見直すきっかけとしても、ぜひ参考にしてください。
女性薄毛の主な7つの原因
女性の薄毛は、ひとつの原因だけでなく、複数の要因が絡み合っていることも少なくありません。代表的な原因を見ていきましょう。
- ホルモンバランスの変化(FAGAなど)
女性の体内では、髪の成長を促す女性ホルモン(エストロゲン)と、脱毛因子に関わる男性ホルモン(アンドロゲン)がバランスを保っています。加齢(特に更年期)、妊娠・出産、ピルの服用中止などにより、エストロゲンが減少し、相対的に男性ホルモンの影響が強くなると、FAGA(女性男性型脱毛症)などを引き起こし、薄毛につながることがあります。
- 生活習慣の乱れ
偏った食事による栄養不足、睡眠不足、喫煙、過度な飲酒などは、健康だけでなく髪にも悪影響を与えます。髪の成長に必要な栄養素が不足したり、血行が悪化して毛根に栄養が届きにくくなったりすることで、薄毛の原因となります。
- 精神的なストレス
過度なストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、血管を収縮させて頭皮の血行不良を招きます。これにより、髪の成長が妨げられたり、ヘアサイクルが乱れて抜け毛が増えたりする(休止期脱毛)ことがあります。
- 間違ったヘアケア
洗浄力の強すぎるシャンプー、頻繁なカラーリングやパーマ、過度な熱(ドライヤー、ヘアアイロン)、髪を強く引っ張る髪型(牽引性脱毛症)などは、頭皮や髪にダメージを与え、薄毛や切れ毛の原因となります。また、洗い残しや不十分なすすぎも頭皮環境を悪化させます。
- 頭皮環境の悪化
皮脂の過剰分泌や乾燥、毛穴の詰まり、炎症、血行不良など、頭皮の状態が悪いと、健康な髪は育ちにくくなります。フケやかゆみが続く場合も注意が必要です。
- 遺伝的要因
薄毛のなりやすさには、遺伝的な要素も関与していると考えられています。特にFAGAは、家族(特に母方の女性)に薄毛の方がいる場合に発症しやすい傾向があるとされています。
- 病気や薬の影響
甲状腺機能の異常、膠原病(こうげんびょう)、貧血(鉄欠乏)、婦人科系疾患などの病気や、治療薬の副作用によって薄毛が引き起こされることもあります。急激な抜け毛など、気になる症状がある場合は、まず医療機関を受診しましょう。
今すぐできる!薄毛の予防策5選
原因がわかったところで、日常生活で取り入れられる予防策を見ていきましょう。これらは健康な髪を育む土台作りとなります。
- バランスの取れた食事を心がける
髪の主成分であるタンパク質(肉、魚、大豆製品、卵など)、髪の成長を助けるビタミン(緑黄色野菜、果物など)、ミネラル(特に亜鉛や鉄分:牡蠣、レバー、ナッツ、海藻など)をバランス良く摂取しましょう。特定の食品に偏らず、多様な食材から栄養を摂ることが大切です。
- 質の高い睡眠を確保する
髪の成長に必要な成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌されます。毎日6〜8時間程度の質の高い睡眠をとるよう心がけましょう。寝る前のスマホ操作を控える、寝室の環境を整えるなども有効です。
- ストレスを上手にケアする
自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。軽い運動(ウォーキング、ヨガなど)、趣味の時間を持つ、ゆっくり入浴する、信頼できる人に話を聞いてもらうなども良いでしょう。
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正しいヘアケアを実践する
- シャンプーはアミノ酸系などマイルドな洗浄力のものを使い、指の腹で優しく洗う。
- すすぎは十分に。
- ドライヤーは髪から15cm以上離し、一箇所に熱が集中しないようにする。
- カラーやパーマは頻度を空け、頭皮への負担を考慮する。
- 頭皮マッサージで血行を促進する。(指の腹で優しく行う)
- 生活習慣全体を見直す
適度な運動は血行を促進し、ストレス軽減にもつながります。禁煙や、アルコールの飲み過ぎを控えることも、健やかな髪のためには重要です。
予防だけでは改善が難しいと感じたら
これらの予防策は、健康な髪を育む上で非常に重要ですが、すでに薄毛が進行している場合や、FAGA、他の病気などが原因の場合は、セルフケアだけでは改善が難しいこともあります。
「抜け毛が減らない」「明らかに薄くなってきた」と感じる場合は、自己判断で悩まず、早めに専門家(皮膚科医や薄毛治療専門クリニック)に相談することが大切です。
▼どんな治療法があるの?詳しくはこちら
⇒[治療法まとめ記事へのリンク]
まとめ
女性の薄毛には、ホルモンバランスの変化、生活習慣、ストレス、ヘアケア、遺伝など様々な原因が考えられます。まずはご自身の生活を見直し、食事、睡眠、ストレスケア、正しいヘアケアといった予防策を実践することが、健やかな髪を保つ第一歩です。
しかし、セルフケアで改善が見られない場合や、原因がはっきりしない場合は、専門医による診断と適切な治療が重要になります。一人で悩まず、専門家の力を借りることも検討しましょう。