意外と知らない髪の毛のこと
私たちは毎日「髪」と向き合っています。髪を洗ったり、ブラッシングしたり。でも、髪の毛そのものについて学ぶ機会はあまりありませんでした。例えば「髪の毛の成分は?」と聞かれても答えられる人は多くないようです。
そこで今回は、髪の毛の構造や髪が生える仕組み、さらに薄毛になるメカニズムについて解説します。髪について詳しい知識を身につけることが、薄毛を理解するための手助けにもなります。
毛髪の構造
髪の毛は3つの層からなり、真ん中には毛随質、その周りを囲むように毛皮質、さらに表面は毛小皮(キューティクル)で覆われています。髪の大部分は毛皮質であり、その大部分が「ケラチン」と「シスチン(システインともいう)」で構成されています。
髪の根っこの部分には毛細血管が張り巡らされいて、酸素や栄養を毛母細胞に送り混みます。毛母細胞は髪の毛の元となる部分で、毛包基部に存在します。
毛母細胞は毛細血管からの栄養や酸素を元に細胞分裂を繰り返し、毛髪と毛包へと変わっていきます。この成長の過程で毛母細胞が角化して、私たちが普段見る髪の毛になるのです。
髪の毛には「ヘアサイクル」がある
髪は常に生え変わっていることは、すでに知っての通りです。髪が生え、成長し、抜けて、また生え変わるサイクルを「ヘアサイクル」と呼んでいます。
成長期
最初にあるのが「成長期」です。「成長期」は、毛母細胞が増殖し、その成長が止まるまでの4〜6年間のこと。ヘアサイクルの大部分はこの成長期で占められています。頭髪の85%はこの成長期の段階にあります。成長期が長びくほど、髪は太く成長します。女性によく見られるFAGA(女性男性型脱毛症)はこの成長期が短くなるために起こります。
退行期
退行期は成長期が止まるって休止期に到るまでのつなぎの期間(約2〜3週間ほど)です。退行期にある髪の毛は頭髪全体の1%ほどです。
休止期
毛根の位置が退化、つまり浅くなります。毛包の長さが2分の1から3分の1程度になり、新しく毛根に出来始めた髪に押し出されるようにして自然に抜け落ちます。頭髪全体で10%〜15%ほどが休止期の髪の毛であり、1日50本〜100本程度が抜け落ちます。
以上がヘアサイクルです。
このように、髪の毛は生まれては抜け落ち、抜けてもまたちゃんと生えてくるので心配は不要です。しかし、成長期の段階の「短く細い毛」が数多く抜けてきたら、薄毛の兆候と考えて早めにケアしてあげてください。
