薄毛に悩む女性が、男性用の育毛剤を使っているケースがあるようですが、これNGなんです。なぜなら、男性と女性とでは薄毛の原因が異なるから。
女性の原因は複雑で、栄養不足やストレス、ホルモンバランスの変化など様々です。これらの原因により、ヘアサイクルが乱れると成長する前に抜け毛が発生し、薄毛となってしまいます。
そこで今回は、薄毛を作る原因を総まとめしました。薄毛にならないためのポイントを最後に紹介していますので、最後までどうぞお読みください。
薄毛の原因
1.ストレス
ストレスがきっかけで円形脱毛症になる、というのはよく知られた現象だと思います。しかし、ストレスは円形脱毛症だけでなく、多くの脱毛症を引き起こすことがマウス実験で明らかになっています。ストレスを受けるとストレスホルモンであるコルチゾールが分泌され、活性酸素を増やします。この活性酸素が毛根細胞を攻撃し薄毛の原因となるのです。
2.バランスの悪い食生活
髪の毛が育つには骨や爪などと同じく栄養分が必要です。髪の毛は毛細血管から栄養を取り入れ、毛穴で4ヶ月かけて成長します。しっかりとした髪の毛を作るためには、たんぱく質やミネラル、ビタミンなどをバランスよく取り入れることが大事。どれか1つの栄養素があれば良いというわけではないんです。
3.無理なダイエット
食事制限をするダイエットは頭髪にも悪影響をあたえます。人は体重を減らすと、生命維持のために重要な部位(臓器など)に優先して栄養配分を行います。そのため、ダイエットをしていると髪の毛に栄養が行き渡りにくくなるのです。
4.太り過ぎ
ダイエットは頭髪に悪影響ですが、一方で太り過ぎも同じく髪によくありません。というのも、血中インスリン値が高くなることで、結果として男性ホルモンであるジヒドロテストステロンが増え薄毛化するのです。
5.シャンプーのしすぎ
シャンプーには洗浄剤として界面活性剤が使われています。この界面活性剤は通常の使用であれば問題ないのですが、1日に何度もシャンプーを使っていると皮脂バリア構造が崩れます。皮脂バリアがなくなると、毛穴に界面活性剤が浸透しやすくなり、毛母細胞にダメージを与えます。
6.パーマやカラーリング
パーマやカラーリングに使われる薬剤は非常に刺激が強く、頭髪や頭皮にダメージを与えます。どうしてもカラーリングしたい場合には、比較的刺激の穏やかなヘアマニュキュアを使うか、ヘナなどの天然染料をおすすめします。パーマはできるだけかけないほうが望ましいです。
7.貧血・血行不良
血中の酸素量が減ると細胞の成長が鈍化。結果として髪の成長も遅くなります。貧血を予防するためには鉄分などのミネラル補給が望ましいです。
8.タバコ
同様に、タバコを吸うと血管が細くなり、貧血時と同様に血の巡りが悪くなるのでタバコも避けましょう。タバコはさらに活性酸素を発生させ、白髪の原因になることがわかっています。
9.甘いものの食べ過ぎ
血糖値の急激な上昇は、自律神経のバランスが乱れ血流障害をおこしやすくなり、体が冷えやすくなってしいます。血の巡りが悪くなると、先に述べたように細胞の成長が鈍化し、健康な毛髪が作りにくくなります。
10.紫外線
紫外線も髪に悪影響を与えます。紫外線による日焼けで髪がダメージを受けるだけでなく、表皮の角化細胞が紫外線により炎症を起こし、脱毛を引き起こす可能性が示唆されています。
まとめ:薄毛を引き起こさないために重要な3つのポイント
薄毛の原因を取り上げてみましたが、振り返ってみると毎日の習慣が大切であることがわかります。まとめると、特に大切なのは次の3つと言えそうです。
- 髪を作るための栄養(ビタミン・ミネラル・タンパク質)をバランスよく補給すること
- ストレスの少ない生活をすること
- シャンプーやカラー、パーマなど頭皮へのダメージを抑えること
これらを守ることで血の巡りがよくなり、髪の毛が成長していくはずです。
参考文献:
毛髪を美しく健康的にするヘアケア技術 https://ci.nii.ac.jp/naid/130005464683
美しい髪の機構と毛髪の構造 https://ci.nii.ac.jp/naid/130004486346
老化と毛髪変化 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jocd/24/3/24_3_221/_article/-char/ja/